そのお酒、たばこから解放され、礼拝に!
絶縁状態だった弟とも和解が!<前編>

栄養失調に加え肺炎

 

 わたしの父は、20歳のころにすでにアルコール依存症だったそうです。父は、お酒を飲むと狂暴になり、毎日 大声を出して、母が血を流していてもさらに殴り続けることもありました。近所の人があまりのすさまじさに警察を呼ぶこともたびたびあったほどです。

 わたしも母をかばったりすると一緒に殴られていました。いつしか母は家を出ていき、わたしも結婚して、父は 一人暮らしをするようになりました。そして数年後、父はろくな食事もせずお酒ばかりを飲みすぎていたため、栄養失調に加えて肺炎を起こしてしまい、集中治 療室での入院となりました。

  医師から「栄養失調なので抵抗力がまったくないため、助かるかどうかは五分五分です。会わせておきたい人がいるなら早めに会わせてください」と言われたので、母に電話をすると、父に対する憎しみの限りで冷たくあしらわれ、弟に電話をすると、やはり冷たく断られました。

「このまま、不幸のまま死ぬのか…」

 父は確かに家族に対しひどいことをしてきたと思います。わたしも父を憎んでいました。ただわたし自身16歳 の時に精神の病になり、自分で自分をコントロールできないことを認識しつつ、そんな自分が父と似ていることからも、父親を心配する娘の思いがありました。 「このまま、不幸なままで死ぬのか…」と思うと、家に向かう電車の中で人目もはばからず声を上げて泣いてしまいました。

 

「うちでお義父さんを引き取ろう」

 

 その夜、主人に父の容体と母と弟に連絡した次第を伝えると、「元気になって退院したら、うちでお義父さんを引き取ろう」と言ってくれました。この時の主人の言葉に本当に心励まされ、希望を持ちました。

 3日後、医師から「信じられない生命力で峠は越えました。このまま順調に回復すれば退院です」と言われ、今度はアルコール依存症の治療のため精神病院に転院しました。

 3カ月後、退院して、わたしたち家族との生活が始まりましたが、再び父はお酒を飲むようになりました。父が家に来てから約半年後、父を除きわたしたち家族は、主の十字架クリスチャンセンター北九州教会へ導かれ、家族でイエスさまを信じ救われたのです。

 

「イエス・キリストの御名によって…」

 

 救われて間もなく神学校に入学しました。父には教会のことは何も伝えていなかったのですが、夕食の用意をしてから神学校へ出かけようとすると、なぜか2 階の部屋から用事もないのに父が下りてくるのです。そんな時は必ずお酒が入っていて、いきなり拳を振り上げて「どこに行くんか!?」と今にも殴りそうな勢 いで怒鳴りました。とにかく父は理由なく怒りが込み上げていて、何を言っても殴られそうな雰囲気でした。そんな時は教会で教えていただいた「イエス・キリ ストの御名によって悪霊を縛る」ことを実践でやりましたら、父のつり上がった目がきょとんと、お酒の入っていない時の顔に戻るのを毎回見ることができまし た。

 しかし父に伝道するのは不可能に思いました。お酒が入っていない時に、イエスさまの話をするため父のそばに寄ると、何も言わないうちに「あっちへ行け!」と怒鳴るのです。

 

「お義父さん、イエスさまを信じてみらんね」

 

 しばらくしてわたしたち家族は、神さまに示されて同じ群れの長崎教会へ転会することになり、引っ越しするこ とになりました。父に、住み慣れた北九州を離れることと、教会のことで引っ越しすることを説得しなくてはなりません。難題だと思いました。しかし、父に告 げると、意外にもあっさりと「お前たちの行くところならどこでも行く」と言うのです。主人も、聖書のペテロの手紙第二2章5節の「ノアたち八人の者を保護 し」という個所から語り掛けを受けていました。(当時、わたしたちは、ノアという名の子を含む子ども5人と、父を合わせて8人家族でした。)

 長崎に引っ越して1、2カ月くらいたったころでしょうか。父が食事もせず、まったく起きず眠ったままの日が3日も続き、病院に連れていくべきか悩みました。父の救いのため毎日祈っていましたので、もしかしたら時が来たのかもしれないとも思いました。

 

 その日、夜中の2時前だったと思います。いつも通り、わたしは聖書を読み一人で祈っていました。ちょうど父のことを祈っていると、父が3日ぶりに起きて きて、わたしが祈っている部屋に入ってきて、黙ったままわたしの横に座っているのです。「3日も寝たままだったけど、大丈夫?」とわたしが聞くと、父は 「酒飲みすぎたごとある。あんまり記憶がない」と答えました。わたしは「とりあえず今は夜中だから寝てて」と言い、父を部屋に帰しました。  翌朝、牧師宅での早天祈祷会(朝のお祈り会)が終わり、父のことを牧師に話してみると「救われるんじゃないですか」と言われ、わたしも同感でしたので、 家に帰るとすぐに、主人と二人で父の部屋に入りました。

 

 主人が父に、率直に「お義父さん、イエスさまを信じてみらんね」と言いますと、父は大きくうなずきました。主の御名を心からほめたたえ賛美します。あん なに頑固でかたくなに神さまを拒否していたのに、その時の父は、わたしが今まで見たこともないほど弱々しく、とても素直な父でした。そして、とても大きな 声で主人の祈りに合わせて、イエスさまを自分の救い主として信じ救われたのです。           

 

次号に続く

 

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(東京都 前田日出子)

 

み声新聞