ロトの妻

  イスラエルの死海のほとりに、ロトの妻だといわれている岩塩の塊があります。

  ロトは、アブラハムのおいで、ソドムとゴモラの地方に住んでいました。ソドムとゴモラというのは、皆さんもご存じなように、道徳的に退廃を極めていた大都市でした。

  ある時、神はこのソドムとゴモラを滅ぼそうとなさいました。しかし、ロトとその家族がともに滅ぼされることはみこころとされていませんでした。

  神の使いが憐れみによって、ロトとその家族の手をつかんで、町の外に導きました。

  そこで、「いのちがけで逃げなさい。うしろを振り返ってはいけない。この低地のどこででも立ち止まってはならない。」という御使いの声を聞くのです。

  主は天から硫黄の火を降らせ、ソドムとゴモラそれに低地全体の町々や人々植物を全滅させてしまわれました。察するにそれはすさまじい轟音であったでしょう。

  ロトの妻は、思わず後ろを振り返ってしまいました。すると、神のことば通り、塩の柱となってしまったのです。

  人生において、過去や罪と決別するよう、神が私たちに求めてこられる時があります。その時には、まさに、命がけで逃げなさい。後ろを振り返ってはいけないのです。

  私たちには、私たちを救ってくださったイエス・キリストがいるので、ロトの妻のような裁きを受けることはないでしょう。しかし、一心にイエス・キリストに向かって走ってこなければならない方がおられるのではないでしょうか。

  このままゆくと人生破滅だと分かっているなら、あなたに向かって差し伸べられているイエス・キリストの御手を取ってください。

  主は、あなたを助けてくださいます。イエス・キリストにすべてをお委ねし、一心に世と世の滅びを後にして、天の栄光に入れられるよう走り尽くそうではありませんか。

イスラエル北野

み声新聞2004年12月26日号(293号)」 転載についてみ声新聞社の承諾済み(無断転載不可)