トマス

  トマスというキリストの弟子がいます。聖書を読む限りにおいては、彼はもっとも疑い深い性質の持ち主でした。

  イエスさまがよみがえられた時、弟子たちに姿を現されたのですが、その時たまたまトマスはその場に居合わせませんでした。ですから彼は、「私は、その手に釘の跡を見、私の指を釘のところに差し入れ、また私の手をそのわきに差し入れてみなければ、決して信じません」と言いました。

  8日後に、イエスはまたもや姿を現し、トマスに、
「あなたの指をここにつけて、わたしの手を見なさい。手を伸ばして、わたしのわきに差し入れなさい。信じない者にならないで、信じる者になりなさい」と語られました。そして更に、「あなたはわたしを見たから信じたのですか。見ずに信じる者は幸いです」とも言われました。

  神さまは、信じることを好まれる方です。すでに目にしたものを信じるというのは、信仰ではありません。信仰とは、神のことばのみを土台として、目に見えぬ世界で、そのことばの成就をかたく握ることです。

  トマスは12人の弟子の1人として、キリストの受難や復活のことばを聞いていたはずです。彼がイエスを信じるに必要な条件はすでに満ちていました。進んで信じるなら、彼は主イエスのよみがえりを伝えた者から、復活の信仰を受けることができたはずです。

  大切なことはしばしば目に見えません。しかし、見えないからといって、ないのではないのです。

  主が皆さんに語られる約束(ことば)を信じ全うしてゆきましょう。見ずに信じる者は幸いです。

  ※聖書の引用はヨハネの福音書20章からです。

イスラエル北野

み声新聞2005年6月26日号(318号)」 転載についてみ声新聞社の承諾済み(無断転載不可)