虎の威を借るキツネ

  ある所に、小知恵の働くキツネがいました。キツネは虎の所へ行き、こう言いました。「この森で一番強いのは私です。私があなたの前を歩むと、皆私を見て恐れおののき退散してしまうでしょう」

  キツネがそう言うものですから、試しに虎は、キツネとともに森を歩いてみたところ、出会う動物がみなキツネに礼をするではありませんか。虎は見て驚き、確かにキツネは強いやつだと感心したそうです。

  さて、みなさんは、この話のトリックに、もうお気付きですね。森でキツネが恐れられていたのは、キツネに力があるわけではなく、後ろに立っている虎を見たからです。みな本当は、虎が恐くて、礼をしたり逃げていったのです。

  クリスチャンの人生は、この虎の威を借るキツネみたいなところがあります。イエスさまは、 「世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます」 (マタイによる福音書28章20節)とおっしゃいましたし、また 「神を愛する人々(中略)のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださる」 (ローマ人への手紙8章28節)という約束もあります。

  サタンは残忍で死や滅びをもたらそうと日々働いていますが、神によって守られた人生に、サタンは攻撃しても勝利することはできません。私たちが教会に、またイエス・キリストにしっかりとつながっているなら、虎の威を借るキツネのようにサタンは手出しができないのです。

  ありのままの私たちは罪人であり、誰からの守りを受けることもなく、サタンのなすがまま、つらい人生を歩んでこられた方も多いでしょう。しかし、それもここまでです。イエスを神の子と信じ、救いを受けるなら、神があなたの後見人となり、圧倒的な勝利を見ていくことができます。サタンはあなたの後ろにおられる神を見て、恐れおののいています。うかつにはあなたに手出しができないのです。

  十字架によって私たちは神の子とされました。イエスを救い主としてあなたの心にお迎えし、新しく生まれましょう。あなたは神の子とされ、神もまたあなたをあらゆる場面で完全に守ってくださいます。

イスラエル北野

み声新聞2005年11月6日号(336号) 」 転載についてみ声新聞社の承諾済み(無断転載不可)