思春期

 わたしの父は、「親という商売があるのなら、やめてしまいたいですわ」と、よくお客さんに言っていたものでした。

  その言葉を言わしめた当人であるわたしも、40代に入り、子育てに悩む側になりました。高校生と中学生、子どもが思春期に入ったら、もう自分のことは後回しです。あれやこれや、子を持って初めて親の苦労が分かると言いますが、これは本当でした。

  子どもといっても、もう親の背丈まで育っている一人の人格です。自分の意見も判断も持っています。人格対人格のかかわりになると、本気で向かい合わなければ、子どもは納得しません。あたかも親を試しているかのようです。そこに親としての忍耐と成長が求められます。

  皆さんは人を変える(変わる)ということについてはどうお考えでしょうか。多くの人(親)は、説得してみたり、怒ってみたり、ありとあらゆる手段を講じていますが、そうそう人(子)は変わるものではありません。もちろん、わが子であってもです。人は、子育てを通じて、自分の思い通りにならないこと、計画通りにならないことを学び、弱くさせられるようです。

  神は、この思春期を良きものとして造られました。なぜなら、こんな悩みがなかったなら、あなたの人生はどこに飛んだでしょう。人が弱さを覚える時、それは真の神を知る機会でもあります。人は低くされて初めて、神と出会います。

  聖書に、「あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからです」(ペテロの手紙第一5章7節)とあります。神はあなたを愛しておられます。イエスを信じ、神のもとに帰りましょう。神のうちに、すべての助けがあるからです。

イスラエル北野

み声新聞2007年7月15日号(第423号)」 転載についてみ声新聞社の承諾済み(無断転載不可)