人を恐れた王様

 イスラエルに、初代の王として立てられたのは、サウルという青年でした。

  サウルが立てられる前まで、イスラエルの王は、主ご自身でした。そして、サムエルという預言者が、士師(さばきつかさ)として働き、民を指導していました。しかし民は、王が欲しいと言いだしたのです。イスラエルの民は、目に見えない神より、目に見える王による政治を求めたのです。これは、大いに主のみこころを損ないました。

  サウルが王として立てられて間もないころ、預言者サムエルは、サウルに次のような指示を出しました。「あなたは私より先にギルガルに下りなさい。私も全焼のいけにえと和解のいけにえとをささげるために、あなたのところへ下って行きます。あなたは私が着くまで七日間、そこで待たなければなりません」(サムエル記第一10章8節)

  サウルはこの言葉通りに七日間待ちましたが、サムエルは来ませんでした。すると民は、サウルから離れて散っていこうとしました。

  これはまずい、と思ったのでしょう。サウルは、預言者サムエルがささげなければならないいけにえを、自分でささげてしまったのです。そこへサムエルはやって来ました。そしてサムエルから「あなたの王国は立たない。(中略)主の命じられたことを守らなかったからだ」(サムエル記第一13章14節)と宣告されました。

  人が散っていくのを見た時、サウルは神のことばより人を恐れてしまいました。

  箴言に「人を恐れるとわなにかかる。しかし主に信頼する者は守られる」(29章25節)とあります。

  わたしたちは人を恐れてしまう者です。しかし、真の神を知り、神に信頼するとき、そのわなに打ち勝つことができます。イエスさまを信じましょう。

イスラエル北野

み声新聞2007年8月5日号(第426号)」 転載についてみ声新聞社の承諾済み(無断転載不可)