ほんとうですか

 言葉というのは、もろ刃の剣で、同じ言葉であっても、あるいは人を生かし、またあるいは、人を殺すものとなってしまいます。

  聖書には、「すべてのことを見分けて、ほんとうに良いものを堅く守りなさい」(テサロニケ人への手紙第一5章21節)と書いてあります。何事も、神から出たものか、人が作ったものか、サタンから来たのか、十分に見分けて、神のものだけを受けていく必要があります。こうして、「ほんとうですか」と省みることは、わたしたちにとって祝福です。

  ところが、同じ「ほんとうですか」という言葉も、サタンが用いれば、人を死に追いやるほど危険です。創世記3章から早々と、サタンは、「神は、ほんとうに言われたのですか」(1節)という言葉をもって、女(エバ)に惑わしを掛けてきました。

  女は「それを取って食べるその時、あなたは必ず死ぬ」と聞いていました。しかし、サタンの「ほんとうに言われたのですか」という言葉に惑わされ、女の聞いた「必ず死ぬ」は、「死ぬといけないからだ」に変わってしまいました。そして、女は食べてはならないという木の実を取って食べ、男(アダム)もそれを食べました。

  こうして、彼らは、エデンの園から追放されました。

  神は、多くのことばをわたしたちに下さいます。サタンは敵意を持ってことばを手放させようとします。そして、それに一番効果的なことばが「ほんとうですか」という疑いの言葉です。

  結果、伝言ゲームのように、最初の言葉は最後になるとまるで別物となります。

  初めに神から聞いたことばを堅く握りましょう。そこにいのちと実質があるからです。

イスラエル北野

み声新聞2007年9月9日号(第431号)」 転載についてみ声新聞社の承諾済み(無断転載不可)