不可能帳

 独身のころ、わたしにはお気に入りの1冊のノートがありました。

 わたしはこれを「不可能帳」と呼びました。

 人生、荒波にもまれて、もはやこれまで、という危機が訪れてくるものです。そのたびに、わたしはこの「不可能帳」を開きました。

 そして、今わたしが直面している問題を、1つ残らず書き込んでいくのです。そして、最後には必ずこう書きました。

 「以上のような理由で、わたしには望みがない。しかし、神はこの問題を必ずご自身の方法で解決してくださる」

 日付を記入し、ノートを閉じ、そのまま寝かせておくのです。そして、次にまた試練が訪れた時、わたしはまたも「不可能帳」を開きます。

 すると驚くことに、前に記しておいた困難がまさしく神の手によって解決されてしまっているのを見るのです。あまりに自然な解決であったので、不可能帳にでも記していなければ、これが神の手だと気付かないほどの完ぺきな解決を神さまは与えてくださっているのです。

 詩篇50篇15節には、「苦難の日にはわたしを呼び求めよ。わたしはあなたを助け出そう。あなたはわたしをあがめよう」という神の呼び掛けがあります。あなたにとって無理な事であっても、全能者には解決できない問題など何一つないのです。

 神はすべてご自分に身を避ける者たちを助け出してくださいます。

 わたしたちが神にささげた祈りや求めは決して地に落ちることはありません。困難な事が起こった時には感謝しましょう。神に期待し神を呼び求めましょう。神による解決はいつも完ぺきです。

イスラエル北野

み声新聞2008年9月7日号(第483号)」 転載についてみ声新聞社の承諾済み(無断転載不可)