みこころがなりますように

 アンデルセンの童話に、子どもを亡くしたお母さんが、子どもを追い掛けてよみの国へ行くという話があります。

  お母さんは、あらゆる苦難をくぐり抜け、ついには神さまの所まで到達しました。子どもを返してください、というお母さんに、神は2つの人生を見せられました。

  1つは「天国であらゆる良い物で愛され慰められている姿」で、もう1つは、「生きていても貧しさや苦難を負っていく姿」です。「これでもあなたは子どもを戻すことを願うのですか」と神さまはお母さんに言いました。お母さんは、「ああ、どうか、お心のままになさってください。その子の幸せはどっちにあるのか、わたしには分かりません」と、そう語りました。

  聖書の中にも、このお母さんのような祈りをささげた人がいます。1人は、イエスをみごもったマリヤです。

  御使いによって受胎告知された時、マリヤは、「あなたのおことばどおりこの身になりますように」(ルカの福音書1章38節)と申し上げました。

  また、主イエスがゲツセマネで祈った祈りは、「わたしの願うようにではなく、あなたのみこころのように、なさってください」(マタイの福音書26章39節)というものでした。

  わたしたちは、自分の願いを持って生きていますが、それが最善であるとは限りません。しかし、神のみこころなら最善であるということを、わたしたちはどこかで知っています。みこころこそ最善、というこの信頼は決して裏切られることはありません。

  最善の人生を求めるのなら、イエスを信じましょう。そして、神のみこころに生きていけるよう祈りましょう。神は必ず応えてくださいます。

イスラエル北野

み声新聞2008年12月28日号(第499号)」 転載についてみ声新聞社の承諾済み(無断転載不可)