【認知症の父との同居】そこからはじまった神の素晴らしいわざ

父に現された救いといやしの数々

30年来の便秘が、足のふらつきが


■認知症の父との同居

 


著者(中央)とお父さんの中河忠夫さん(左)、
ご主人のお母さんの風間晴子さん

昨年10月、実家で弟と暮らしている父(86歳)の認知症が急激に進行し、1人にしておけない状況となりました。弟は入院することが決まっており、私の方も何日も家を空けることができない状況にあり、本当に困ってしまいました。

  取りあえず、弟の入院中だけでも施設か病院に入れていただけないかと当たってみましたが、どこも空きが無く断られてしまいました。どうしていいか分からな い状況となりましたが、いつも教えられている通り、この状況をそのまま感謝し、そして、このことも必ず益にしてくださることを宣言し、みこころだけがなる ように祈っていました。

  結局、父には私の所に来てもらうことになりました。こちらにも 90歳になる夫の母が同居しておりますので、不安はいっぱいありましたが、夫の「やってみたら」という言葉に励まされ、迎える決心が与えられました。この 時は、これしか方法がないように思われたのですが、実は、このことの中に、主のすばらしいご計画があったことを、後になって知ることになりました。

■父の救い いやしの始まり


  父を迎えた3日後、私の所属する教会で毎週持たれているカリスマ礼拝があり、父も一緒に出席させていただきました。歩けない父は車いすで、生まれて初めて 教会に行き、生まれて初めて礼拝に出させていただきました。聖餐(せいさん)式の前には、牧師さんが受け入れの祈りを導いてくださり、耳が悪く口も動きに くい父ですが、しかし、はっきりと声に出して祈ることができました。

  その後、初めて聖餐の恵みにあずかり祝福を受けました。また、いやしのために祈っていただくことができました。

  その時から、父にすばらしいいやしのみわざが始まりました。

■最初のいやし  — 30年来の便秘


  最初にいやされたのは、便秘です。父は30年来、便秘で苦しんできました。薬を常用していますが、それでも1週間近く排便できず苦しむこともしばしばでし た。父にとっては、一番の苦痛が便秘だったのです。それが最初にいやされたので、「助けられた、助けられた」と本当に喜んでおりました。今では、完全にい やされ、薬も不要となりました。主に心から感謝します。

 

■次は両足がいやされる


  次に、両足がいやされました。脳梗塞(こうそく)の後遺症で足がふらつき、前のめりになって何度もぶつかったり、転んだりしてしまうので実家では歩行器に 頼っていました。また、少し歩くだけで足や腰が痛くなり、歩いて出かけることなどとてもできない状況でした。ところが、教会に行き礼拝に出ているだけで、 日に日に足腰が強められ、やがて1人で歩けるようになり、今では、散歩にも行けるようになりました。主に心から感謝します。

 

■認知症にも守りが


  さらに、認知症に関しても特別に守られています。MRI(磁気共鳴画像装置)の検査では、脳の萎縮が認められており、特に夜間に認知症の症状が強く出ると 医師より注意を受けておりました。実家では、幻覚症状が出たり、ボヤを起こしたりしたこともあり、自分が何をしているのか分からなくなる混乱状態に陥った こともありましたが、そのような混乱はなく、主が守ってくださっているのを感じています。このことも心から感謝します。

 

■一番心配していた夫の母


  こちらに父を迎えるに当たって一番心配したのが、同居している夫の母のことでした。90歳になる母も父 と同じ認知症で、要介護2(軽度、中程度の介護が必要な状態)という段階です。母の症状は、気分が変わりやすく、感情の起伏が激しいことや、妄想などがあ ります。また、部屋も一部屋譲っていただかなくてはならず、受け入れてもらえるかどうか正直不安でした。けれども、父のことを受け入れてくれただけでな く、元気な母が、動作の遅い父の手助けもしてくれるようになりました。


いやされ、元気になった著者のお父さん(左)と、
ご主人のお母さん。礼拝で心から賛美をささげている

■夫の母が元気に


  デイケアの職員の方からは、「おじいちゃんが来てから、おばあちゃん、元気になったね」と言われました。

  今まで新年礼拝に家族と一緒に出席するだけの母でしたが、父が来てからは、父と一緒に毎週礼拝に出られるようになりました。その中で、母の表情がどんどん 柔らかくなってきており、穏やかに生活できるようになりました。このように、母にも主が働いてくださっていることを心から感謝します。

 

■夫の母との関係に


  これらのことのほかに、私にも主がみわざをなしてくださいました。それは、解決されなければな らない問題である夫の母との関係に、主が介入してくださったことです。今から9年前に母をこちらに迎えたのですが、当初、「認知症」という病気を理解して いなかったため、母の激しい感情や、気分の変化に振り回され、くたくたに疲れ果ててしまいました。その時に言われた激しい言葉や態度によって傷つき、いつ しか自分を守るために母との間に壁を作ってしまいました。表面的には仲の良い嫁しゅうとめに見えたかもしれませんが、本当は、いつまでたっても母を心から 受け入れることができないでいました。

  このままではいけないと分かっていましたし、そんな自分が本当に嫌でしたが、どうすることもできませんでした。

 

■私自身に与えられた解決


  今回、父を迎えたことで、今までの母に対する私の対応が、いかに思いやりの無いものであった か、どれほど母に寂しい思いをさせてきたことか……申し訳ない思いでいっぱいになり、本当に悔い改めました。そして、主は、母にも夫にも謝る勇気を与えて くださいました。それなのに母は、「よくやってたわよ」と言ってくれました。

  神さまは、こんな私を赦してくださり、母との関係を、今まで味わったことの無い平安な関係へと変えてくださいました。

  それだけでなく、今まで「大変」という意識しか持てなかった「介護」ですが、2人に増えたにもかかわらず、今とても楽になり、「介護」という意識ではな く、おじいちゃん、おばあちゃんのいる家族という受け止め方に変えられました。このように思えるようにしてくださったことが本当にうれしく、感謝でいっぱ いです。

 

■すべては益に


  今回、父を迎えるに当たって、このことが父にとっても、母にとっても、私たちにとっても祝福と なるように祈っていましたが、本当に、主は祈りに答えてくださり、私たちの思いを超えたすばらしい祝福を与えてくださいました。また、御約束通り、今回の 追い詰められた状況もすばらしい益としてくださいました。

  主の御名をあがめ心から感謝いたします。

 

(名古屋市 風間桂子)
み声新聞 356, 357 号より抜粋−

 

 

 

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