強烈な首の痛み、腕の痛みがなくなった!

佐藤正浩(東京都)

●強烈な首の痛み

 今から数カ月ほど前のことです。たまには大きなお風呂につかってゆっくりしようと銭湯へ向かいました。お風呂を満喫した後に、コーヒー牛乳を飲んで一息ついていました。銭湯のロビーには、テレビを見ながら団欒できるスペース、そして100円を入れると動く最新式のマッサージチェアが2台用意されていました。私はマッサージをしようか、考えていました。  ふと、その最新のマッサージ機の奥を見ると、そこにはひっそりとレトロな昭和なマッサージチェアが置いてありました。ちょっと豪華な椅子風で、背もたれの部分の左右にアームが飛び出しているタイプのものです。おそらく半世紀近く前のものだと思います。そのマッサージ機は無料でした。私は無料で使えることを感謝し、早速そのマッサージチェアに興味津々で座ってみました。それは電動で動くものではなくて、左手でハンドルを回して、背中にあたっているアームを動かすようにできていました。私はハンドルを回して背中から首へとアームを動かしてみました。しかし、さして気持ちいいわけではなく、硬いアームがぐいぐいとポイントを外して当たっているといった感じでした。何なんだこれは、と思いました。私の使い方が正しくなかったのかもしれませんが、骨董品の域の代物ですから、まっ、こんなもんなんでしょう。  翌朝早く、目が覚めました。起きると首に痛みを感じます。痛くて首をあまり動かせません。しばらく様子を見ましたが、良くなることはなく、徐々に痛みの範囲が拡大しているように思われました。これはまずい。以前痛めた部分が再発したかもしれない。私は聖書にあるように、すべてのことに感謝しなさいを実践しようと、この状態を主に感謝しました。ですが、それは中途半端なものとなってしまいました。というのも、その首の痛みは強烈だったということと、そのために気が滅入ってしまっていたからです。

●悪化する症状―左腕の痛み、しびれ、麻痺

私は近くの整形外科で診断してもらい、リハビリとして首の牽引をしてもらうことにしました。首の牽引はその名の通り、首を上に引っ張って、脊髄の間隔を広げるものです。もちろん良くなるためにしたこのリハビリだったんですが、私の場合は、さらに左腕のしびれと痛み、左の親指から中指まで麻痺といった具合で、症状が悪化してしまいました。日常生活では、食器を洗っていても、しっかりとつかむことができずに落として割ってしまったり、物を運ぶ作業もできなくなってしまいました。寝るときは枕の下に大きなクッションを入れて角度をつけなければ痛くて眠れませんでした。

●カメラが持てない

私は1カ月半後にロサンゼルスへ行き、友人の教会の20周年記念コンサートで、映像や写真を撮る奉仕をすることになっていました。とにかくそれまでは治さなければと、引き続きリハビリをし、接骨院へ行き、鍼を試し、整形外科を変えたりしました。ですが、一向に良くなる気配がありません。  そしてロサンゼルスへ出発1週間前、私はすっかり、この体調で渡米し奉仕することは、到底無理だと思い始めていました。左腕が痛み、しびれ、麻痺し、カメラを持つこと自体困難なのです。とても写真を撮れる状態ではありませんでした。リハビリを受けながら先生にロサンゼルス行きの話をしました。飛行機では気圧の変化で余計に痛くなる可能性があるということでした。長時間首や腕の痛みを我慢し続ける、考えただけでも憂鬱になってしまいました。  私は整形外科の先生に相談することにしました。先生は、「ブロック療法をしましょう。」と言ってきました。ブロック療法というのは、痛みの元となっている脊髄と脊髄の間に注射をし、麻痺させる治療法です。私はブロック療法をしている総合病院ペインクリニック科への紹介状を書いてもらい、行くことにしました。  ペインクリニック科の初診は、このブロック療法がどういう治療法なのかということを専門医から話を聞くことでした。1回の注射できかなかったら、もう一度日を改めて注射をするそうです。治療は完全な予約制でした。私はその場で予約をしました。

●病院に行けない

改めて治療の当日、この注射をすれば楽になると思っていた私ですが、突然の仕事のために予約の時間に病院に行くことができなくなってしまいました。私はすぐに病院に電話をして、新たに予約を入れることにしました。次の予約は、ロサンゼルスに向かう前日、そこしかありませんでした。1回目の注射がきかなかったら、そのままロサンゼルスに行かなければいけない。私は注射がきくように祈りました。  病院に行くその当日、なんとまたしても突然の仕事が入ってしまいました。それは完全に予約した時間と重なっていたのです。もうどうにもならない状態になってしまいました。私は、何でなんだと、やり切れなくなり、不平不満を言ってしまいました。この症状のまま飛行機で何時間も過ごすことを考えると、いてもたってもいられませんでした。

●すべてのことに感謝する

そんな状況の時に、ロサンゼルスでお世話になる姉妹から電話がありました。その電話で姉妹から、感謝することによって主が働かれた体験談を聞くことができました。その話は、私の中へ、すっと入ってきました。すべてのことに感謝する、知らなかったわけではありませんでした。ですが私自身、自分で何とかしようとしている中にあって、まったくそのことができていなかったのです。私は今までの自分を悔い改めて、感謝できなかったこと、体験談を聞いたこと、現在の体の状態、すべてを感謝しました。  ロサンゼルスへ旅立つ当日、症状は変わることはありませんでした。私は感謝しました。フライト中の気圧の変化で起こると思われていた痛みはまったくありませんでした。どちらかというと楽になったという感じがしました。私は感謝しました。そして、ロサンゼルスに到着するころには、首の痛みはかなりやわらぎ、首を動かすこともできるようになりました。感謝しました。そして、20周年記念コンサートの当日、終わってみれば、痛みのことを気にすることなく、奉仕をまっとうして働くことができていました。感謝しました。  日本に帰って来てからは、ロサンゼルスに行く前の約2カ月通っていた病院や診察所、リハビリには行かないで済むようになっていました。寝るときも普通に寝られるようになりました。神様、感謝します。

(月刊「雲の間にある虹」2014年4月号 雲の間にある虹出版発行 より転載)