感謝
ロッキー山脈からPraise the Lord!(プレイズ ザ ロード!)
※ 「ロッキー山脈からPraise the Lord!」は、月刊「雲の間にある虹」(雲の間にある虹出版)の人気連載です。 当コンテンツでは、上舘牧師の感謝の証しが含まれている記事をそのまま転載しております。
毎年、マーリン子どもアメリカチームが終わるとちょうど夏時間が始まるという感じだったが、今年から夏時間の期間が1カ月延び、3月11日から夏 時間となった。イギリスではサマータイムと言うらしいが、アメリカではデイライト・セービング・タイムと言う。太陽の出ている時間を有効に利用して省エネ するのが目的らしい。
この夏時間、初めの1週間はお昼ご飯の時間の調整に苦労する。11時になるとおなかがグ~っと鳴ってしまうのだ。私の場合はおなかの問題だけですむが、テ レビでは各企業が時間調整に神経をとがらせている様子が映し出されていた。コンピューターなどに内蔵された時計が誤作動しないようにたくさんのお金が使わ れたと言っていた。
2000年にも「Y2K問題」というのが騒がれた。98年、99年と来て、2000年の1月1日に2000年を表す00をコンピューターが1900 年と間違えて混乱するかもしれない、という内容だったと思う。当時、私は三沢基地で働いていたので、米軍がこの問題にとてもピリピリしているのを感じてい た。予想される混乱が説明され、数日分の食料や水を確保するように言われた。銀行も使えなくなるかもしれないので、必要なお金をおろしておいたほうがいい とも言われた。
さっそく私は水や食料を用意し、銀行に行って何があってもいいようにその時あったお金全部をおろし、財布に入れておいた。財布に収まる全財産というのもちょっと情けないが、当時、娘はまだ小さく、何かと必要があったのだ。
万全の体制で大晦日を迎え、私は徹夜祈祷会のために弘前に向かった。教会に泊まるといっても、徹夜祈祷会の後、ちょっと仮眠をとって礼拝して帰ってくるだけだったので、何の荷物も持たず、財布だけ持って出掛けた。そして事件は起きた……。
2000年1月1日、Y2K問題での混乱は起きなかったが、何と財布を落としてしまったのだ。それも、全財産が入った財布を……。本当に、本気で、マジ で、ガ~~~ンとショックを受けた。ガックリと肩を落としてアパートに戻り、コタツに入って、これからどうやって生きていこうか考えた。
でも、無い頭で考えてもどうしようもないので、「ここは教会で学んでいる感謝しかないな」と思い感謝した。感謝し、感謝し、感謝した。初めのうちは感謝しながらも心は納得いかない私だった。
ところが何度も感謝していくうちに、心から「神さま、財布をなくして本当にありがとうございます」と言えるほどすごくうれしくなったのだ。それは予想でき ない展開だった。全財産なくし、どうやって生きていったら良いのか分からない私が、目の前の現実とは逆に、心はうれしくてうれしくてしょうがない状態に なったのだから…。聖書のピリピ人への手紙4章6節~7節に「何も思い煩わないで、あらゆるばあいに、感謝をもってささげる祈り願いによって、あなたがた の願い事を神に知っていただきなさい。そうすれば、人のすべての考えにまさる神の平安が、あなたがたの心と思いをキリスト・イエスにあって守ってくれま す」と書いてある。まさに、その時、私の思いをはるかに超えた神の平安が与えられた。そして、その月は家族から助けられ、何とか乗り越えることができた。
最悪からスタートした2000年。この年は印象に残る年となった。私はその年、非常に経済的に祝福され、3つの海外宣教に参加することができたのだ。大きな困難は大きな祝福の前ぶれだった。Praise the Lord!
体育会系人間の私は、コーチから鍛えられ、父(スケートの元国体選手)から鍛えられ、ビシバシやられた。そのせいか、温和な中ではさっぱり成長せず、逆境とかでもまれて成長するタイプだと思う。
そして、ほめられると途端にダメになる。昔のマーリンチームでレンタカーを運転していた時、某長老から「上舘さん、運転がうまいね」とほめられた瞬間、縁石に乗り上げてしまったことがある。
神さまはこんな私の性格を本当に良く知っておられると思う。困難は本当に感謝だ。困難があると感謝も祈りも真剣にやる。ところが困難もなくうまく行ってる時は、感謝の時間は睡魔との戦いになってしまう肉の弱さ…。でも、この弱さも感謝している。
さて、今年もマーリン子どもアメリカチームが遣わされるが、マーリン師の感謝と賛美のセミナーがとても楽しみである。皆さんがこの文を読むころに は、マーリン師のセミナーも終え、皆がさらに感謝が強められ、霊的に燃やされていることだろう。主に期待し、心から主をほめたたえる。Praise the Lord!
(月刊「雲の間にある虹」2007年5月号に掲載分より転載)