そのままを感謝しなさい!
ロッキー山脈からPraise the Lord!(プレイズ ザ ロード!)
※ 「ロッキー山脈からPraise the Lord!」は、月刊「雲の間にある虹」(雲の間にある虹出版)の人気連載です。 当コンテンツでは、上舘牧師の感謝の証しが含まれている記事をそのまま転載しております。
今年も恵みでマーリン子供アメリカチームに参加することができた。特に感謝と賛美の世界的な器であるマーリン師のセミナーで受けた恵みは大きく、非常に強められてデンバーに戻ることができた。
今回、セミナーの中にいろいろな語り掛けがあったのだが、特に心に響いたのが、マーリン師が結婚している女性たちに向かっておっしゃった一言だった。「奥さんたち、だんなさんをそのままで感謝しなさい。」
1月に結婚したばかりなのに、もう不満が出てきていることに気付かされた。実は、2月に夫がバージニアから引っ越してきて、すぐに職探しを始めたのだが、 これが苦戦を強いられた。アメリカでは、どこに申し込みに行っても、「インターネットで申し込みをしてください」と言われる。そしてインターネットで申し 込みをしても、さっぱり返事が来ないのだ。1日に約10件、これまでに何百件申し込んだか分からない。面接に至ったのがわずかに数件だけだった。
夫は一日中家にいて、インターネットをやるかテレビを見て過ごす日々が続いた。「神さま、仕事がないことを感謝します」と感謝するのだが、徹底して感謝できていなかった。
そんな時に聞いたマーリン師の「奥さんたち、だんなさんをそのままで感謝しなさい。」という言葉に、ハッと目が覚めた気分だった。「そうか、仕事のない夫のあるがままを感謝するんだ~。」
デンバーに戻ってから、ずっと家で時間を過ごす夫のことをそのままで感謝する日が続いた。そして、「この仕事が見つからない状況の背後に神さまの素晴らしい計画がある」と告白していた。
さて、4月16日にデンバー・カリスマ聖会が行われた。その前に、税金のことや聖会の準備、また身の回りのいろんな出来事に、非常に忙しい日が続 いた。聖会の前日の15日の夜、「いつもより疲れがひどいな~」と思っていたら、突然の大量出血が許された。その1週間前に妊娠を確認していたのだが、も のすごい量の出血だった。すぐに感謝し、着替えをして、救急病院に向かった。夫と、車の中で、どんなことにも感謝の対応をすることを確認しあいながら病院 に向かった。
私たちが行った病院は、はっきり言って豊かな人たちは絶対に行かないD病院。夫が定職について保険に入ってくれれば問題ないのだが、保険に入っていなかったので、他に選択の余地がなかったのだ。
D病院の救急に行ったのだが、これがすごい経験だった。すぐに死にそうにない私などは、後回し、後回しにされ、なんと待ち時間4時間以上。その間に、刺さ れたり、撃たれたりした人たちが入って来るのだ。すごいのは、アメリカは救急車を呼ぶと軽く10万円はかかるので、死にそうな人たちが、自分で車を運転し たり、家族や知人に運転してもらったりして病院に来ることだ。また、病室から悲鳴が聞こえてきたり、さらには手と足に鎖が掛けられ、保安官に付き添われて 来る病人まであった。ま~日本人では、なかなか目にすることの出来ない光景だろう。このことも主に感謝である。
結局、7週目で流産ということになった。でも、「この流産の背後に神のすばらしい計画がある」と言い聞かせ、また、夫も「神さまは決してミスをしない方。このことも必ず益となる」と言っていた。
アメリカは医療費が高額で、おそらく皆さんも、私の医療費がどうなったか気になるところだろう。実は、病院の紹介で申し込んだ保険が、私に1年間適用され ることが分かった。その保険のおかげで、医療費は本当に少しで済み、もし出産するなら無料になるらしい。参考までにデンバーの友人は、帝王切開で出産して 150万円支払っている。だから出産が無料になるこの保険の恵みはとても大きい。
この保険適用の決め手となったのは、実は、夫の仕事が見つからないことだった。ケースワーカーと話をし、夫が求職中であることを話したところ、即、保険適 用のOKが出た。仕事が見つからないことを感謝していたが、そのことが益となって、医療費の免除が与えられた。本当にすべては益である。Praise the Lord!
今回、これらの経験を通して作詞作曲をする夫にあるフレーズが与えられた。「どんなことがあっても、主を賛美しよう。良い時も悪い時も、主を賛美しよう」
まだ、全部はできていないが、この曲がどのグループに歌われるのか考えるとワクワクする。この曲が多くの人々に希望を与えるものとなることを心から願っている。
高額医療費
5月の第一週から、デンバー市内にある黒人教会の施設を借りて礼拝が行われるようになった。この教会は、インターナショナルなビジョンが与えられていて、いろんな国のクリスチャン・グループがその教会の施設を使っている。
先日、各グループの牧師たちが集まって、ミーティングが行われた。ミーティングには、アフリカ系アメリカ人の牧師さんたちが3人、ブラジル出身でイスラエ ルから来られたメシアニック・ジューの牧師さん、メキシコ出身の牧師さん2人、エルサルバドル出身の牧師さん、そして日本出身の私の計8人が参加した。
国はバラバラでも、どのグループもイスラエルに特別な思いを持ったクリスチャン・グループだった。
文化の違う者たちが集い、いろんな話をしたのだが、日本独特の遠慮とか配慮というのが、世界においてはまったく通じないことを実感した。人目を気 にして遠慮する日本人と、そんなの全然気にせずドンドン要望を述べる外国人。私はまだまだ日本人のメンタリティーが抜けていないんだな~と感じた。これか らの祈りの課題でもある。
人目が気になる人はどんどん外国に出て、その思いから解放されたらいいのではないかと思ったりする。
ところで、前回、流産したことを書いたが、その後貧血になり、入院して輸血しなければならない事態となった。アメリカに遣わされて4年と8カ月、一度も病気などしたことがなかった私で、丈夫だけがとりえだったが、弱さを知る時が許された。
輸血して一気に元気を取り戻したのだが、5月に入ってから、次々と病院の請求書が届くようになった。日本は保険制度がしっかりしているので心配ないが、ア メリカは医療費が恐ろしく高い。保険に入れる人はまだいいが、アメリカでは保険に入れない人たちがごまんといる。そして、高額医療費のゆえに破産する人た ちもたくさんいるのだ。
友人から入院1泊で26万円という話を聞いた。別の友人は、だんなさんが脳腫瘍で手術を受け、1日だけ入院して頭にホッチキスの針が刺さった状態で、まる で映画に出てくる宇宙人のように腫れ上がった頭で帰宅し、自宅療養をしていたそうだ。「そんな~、恐ろしい~」と私は思ったのだが、アメリカではごく普通 のことらしい。ちなみに、ケネディー元大統領の弟のテッド氏も、脳腫瘍か脳のガンで手術を受け、1日か2日ですぐに退院していた。相場を言えば、もちろん 病院にもよるが、盲腸で120万円ぐらい(現金で支払うなら80万円にしてもらえるらしい)。盲腸が悪化し腹膜炎を起こした人が1週間入院して1000万 円だったといううわさを聞き、震え上がってしまった。
だから、治らない場合など患者が医者を訴えることが多い。訴えられるから、医者は高額の保険に入り、それがさらに医療費を上げているという悪循環らしい。
さて、私の病院代だが、最初、少量の出血で病院に行ったとき、血液検査と尿検査、そして超音波の検査で、20数万円だった。次の請求書は、まさかの47万 円。次も20数万円。結局トータルで100万円以上の請求だった(もしかしたら、これからもっと請求書が届くかもしれない)。
しかし、前回話した通り、夫が職探しに苦戦し、全然職にありつけなかった事が幸いし、グリーンカードもない私なのに低所得者用の保険が適用となり、かなりのお金が免除された。
そして病気のすべての治療が終わるころ、夫に良い職が与えられた。このタイミング! 本当に神さまは最善を導かれるお方。Praise the Lord!
そして長い間職が決まらなかった夫が就職したのは、私たちの群れがよくエルサレムで利用する「R」ホテルと同じ系列のホテル。空港までのシャトルバス付きで正規の値段は一泊約2万円。
いつも日本から宣教チームを迎えるとき、格安ホテルに滞在していただくのだが、これからは従業員割引で「R」ホテルを格安ホテルと同じ料金で利用できるようになる。これも神さまの恵み。Praise the Lord!
ぜひぜひ、アメリカチームに参加して、デンバーの地でこの恵みを味わっていただきたいと思う。
(月刊「雲の間にある虹」2008年6月号、7月号に掲載分より転載)