人種差別をありがとう! 
ロッキー山脈からPraise the Lord!(プレイズ ザ ロード!)

※ 「ロッキー山脈からPraise the Lord!」は、月刊「雲の間にある虹」(雲の間にある虹出版)の人気連載です。 当コンテンツでは、上舘牧師の感謝の証しが含まれている記事をそのまま転載しております。

 

 8月中旬に突然歯が痛み始めた。痛んでいたのは歯というより、奥歯の奥の歯茎。医療費の高いアメリカに暮らしているので、歯磨きは徹底してやって きた。たまに疲れがたまると歯茎がちょっとはれることがあったが、今回は様子が違った。歯茎のはれから、リンパ腺の方まではれてきて、つばを飲み込むこと も大変になったのだ。「うゎ~感謝~!」感謝し、いやしの祈りもした。しかし、今回はいつものようにはいかなかった。


  渡米7年で初めて歯医者。歯医者さんが言うには、奥歯のブリッジの金具がずれて、それが歯茎にあたって化膿しているとのこと。すぐに歯医者さんに代わっ て、ファイナンシャルアドバイザーなる人物が現れた。「まずは、治療の見積もりと支払いのオプションを説明します」と言い、コンピューターの画面を見せな がら、値段の交渉にはいった。今あるブリッジを取って、前後の歯を治療して、新しいブリッジを付けて5000ドル(今なら日本円で44万円ぐらい?)。現 金で支払うなら4500ドル。その歯医者さんのグループの保険のようなものに加入すると3800ドル(もちろん保険加入にお金がかかる)。
話には聞いていたが、やっぱり高かった。アメリカ生活が長くなると、交渉術が身に付き、だまって向こうの言いなりにはならない。「歯茎に当たっているその 部分だけとりあえず直してください。後は、日本に帰ったときにやりますから」と言うと、またまたファイナンシャルアドバイザーが登場してきた。これを3回 繰り返し、ようやくもらった見積もりは600ドル(5万円ちょっと)。


  治療中も、本当に600ドル以上請求されないかどうか、何度も聞きながら治療してもらった。「レントゲンをとります」というと、「レントゲン代は600ド ルに入っているんですよね?」という具合だ。安く済ますために、こっちも必死なのだ。でも、こんな交渉を強気でしている自分に、アメリカで随分と強くされ たものだ…と感心してしまった。

 さて、前回、夫が人種差別のような対応を受け、仕事時間を減らされ、大変な目にあったことを書いた。この件に関して、徹底して信仰の対応を取ることにした。


  私と夫は、感謝の祈りをするとき、リビングルームをぐるぐる歩きながら感謝をする。これは、眠気防止という意味合いと、全身で感謝賛美するという意味合いがある。
人種差別のことも、拍手して、手を上げて、飛び上がって喜んでみた。上司の名前とどんな扱いをされたかを具体的に言いながら感謝し、「しかし、上司が何を どうしようとも、その上司の上に神様がおられ、神様の許しなしには上司は何もできません。許されたこの事の背後に、神様は素晴らしい計画を持っておられま す。神様は私たちを決して見放しません」などと大きな声で告白し、祈った。


  仕事時間を大幅に減らされ、週に2日間だけの仕事では生活していけないので、夫は仕事を辞めて、さっそく職探しを始めた。
しかし、この大不況の中での職探しは簡単には行かなかった。ジョブフェアーに行き、「あなたを気に入ったので、面接に来てください」と言われ、行ってみる と、集団でビデオを見せられ、「仕事をする前に登録料として○万円お支払いください。その後で、仕事をあげます。もし、契約したお客さんがお金を支払わな かった場合は、あなたの給料から引かれますが、1年後には安定したポジションに就くことができます」と、なんともうさんくさい仕事だった。


  それでもあきらめずに職探しを続けていたら、うちのすぐ近くの四つ星のとても良いホテルで採用が決まった。この不景気の中、きちんと保険などのついたフル タイムの仕事で、無料の昼食付。マネージャーから、「あなたのような人を探していました」と言われ、通常2週間かかる採用手続きを、たったの2日でやって くれた。Praise the Lord!
  本当に困難な状況の背後に素晴らしい神様の計画があったことを知り、心から主をほめたたえた。

 


(月刊「雲の間にある虹」2010年10月号に掲載分より転載)