フィルム・フェスティバル 
ロッキー山脈からPraise the Lord!(プレイズ ザ ロード!)

※ 「ロッキー山脈からPraise the Lord!」は、月刊「雲の間にある虹」(雲の間にある虹出版)の人気連載です。 当コンテンツでは、上舘牧師の感謝の証しが含まれている記事をそのまま転載しております。

 

2月初旬に、急なコンサートの依頼が来た。

デンバー郊外の老人ホームからだった。金曜日に依頼が来て、コンサートは火曜日。何の練習もできなかったが、毎週日曜日に16thストリート・モールで路上ライブをしているのが良かったのか、とても喜んでもらうことができた。

東京でも参加型のゴスペルコンサートなどが行われているが、私たちも、コンサートの前半を日本のゴスペル、後半をトラディショナル・ゴスペル・タイムとして、誰でも知っているような有名な賛美歌をみんなで歌ってみた。

とても素晴らしい歌声で、みんな張り切って歌っていた。 コンサート前に、コンサートの様子をビデオ撮影しようと、夫がカメラをセットしていた。すると、隣で、コンサートが行われた老人ホームの住人であるおじい さんも、同じようにカメラをセットしていた。「今日、参加できない人たちのために、ビデオ撮影して、後でみんなで見るんですよ」と教えてくれた。    

さて、今年、白馬スネルゴイ・キャンプで、白馬クリスチャン映像祭が行われる。コロラドの美しい風景でも送ろうかな…、なんて考えていたのだが、意 識してまわりを見渡すと、どこを見ても雪景色ばかり。別の季節の美しい風景を、来年の映像祭のためにこれから少しずつ撮っていこうと思った。

 

しかし、祈りの中で、神様から「今回の映像祭に証しの映像を出すように」と示され、素人ながら挑戦してみることにした。 前にこのエッセーでも紹介したことがあるのだが、以前乗っていた、赤い車のガラスが割られた事件の証しを映像にすることにした。 その事件とは、冬のある日、車のガラスが割られ、カーステレオがバールのような物でえぐり取られた事件のこと。

悪いことが起きたが、教会で「すべてのことについて感謝する」ことを学んでいたので、感謝した。その次の日、大寒波の大雪となり、容赦なく吹き付ける雪の中を、窓ガラスがない車で警察に被害届けを出しに行った。

通常15分で着く道が、雪で交通が麻痺し、1時間以上かかった。

その1時間、徹底して私の身に起こったこれらの悪い事柄を、1つ1つ大きな声で、時には拍手しながら、時には両手をあげながら感謝した。すると、目の前のすごく悪い状況とはまったく逆に、すごい喜びに満たされる、という体験をした。

「神様、ありがとうございます。本当にありがとうございます」と喜びで涙がボロボロと流れた。その後、カーステレオをえぐり取られたことが原因で、車の電気系統が狂い出し、それらも1つ1つ感謝していった。

その3年後、赤い車は廃車となった。車を買うお金もないので、どうしようかと思っていたら、突然、300万円の献金が来た。それも、「日本車の新車を買ってください」という指定付きの献金だった。

Praise the Lord!  証しの映像は、その時与えられた日本車に私が乗り、さっそうと画面に現れる、という設定。

そして、場面は家の中に移り、ソファーに座って当時の状況を説明しながら、神様の素晴らしい恵みを語り、最後に、車の窓から手を振りながら去っていく。

 

そして、画面にはテサロニケ人への手紙第一5章18節の「すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって神があなたがたに望んでおられることです」というみことばが音楽とともに映し出される。全部で10分弱の映像。  

映像のことは何も分からなかったが、今はカメラもとても便利でハイテクになっており、思ったより、ずっと簡単に映像にしてファイルで送ることができた。  

このような作業を、教会の働きとしてやるようになるとは、夢にも思っていなかった。でも、やってみたら、とても面白く、わくわくしてきた。さらにレベルアップしていくように、もっともっと祈らなきゃ…と思った。

 

(月刊「雲の間にある虹」2011年4月号に掲載分より転載)