リバイバルに向かって備える

パウロ弓野

 

 しかし、私たちは、私たちを愛してくださった方によって、これらすべてのことの中にあっても、圧倒的な勝利者となるのです。

 (ローマ人ヘの手紙8章37節)

 

はじめに

 

 クリスチャンはこのみことばを通して圧倒的な勝利者として歩むことが出来ることが約束されています。これらすべてのことの中というのは、同35節に書かれていますが、キリストの愛から私たちを引き離そうとする、患難、苦しみ、迫害、等です。確かに多くのクリスチャンが、問題が起きた時に、神様に文句を言ったり、落ち込んだり、耐え切れずに勝利を見る前に神様から離れてしまう場合があります。しかし、みことばは真実ですから、私たちは人生において、神様の奉仕において、必ず勝利を見ていくことができるのです。その秘訣は、みことばにあるように、私たちを愛してくださった方によって、すなわちイエス・キリストによってなのです。イエス様が働いてくだされば、神の圧倒的な勝利を見ることができるのです。時代は終わりに向かって大きく動いています。その中で私たちが勝利者となるためのポイントは感謝と賛美、そして祈り聞き従うことなのです。

 

終わりの時は近い

 

 神様は私たちの教会で行っている冬のキャンプを「白馬スネルゴイキャンプ」と名付けられました。スネルゴイとはギリシャ語で同労者を意味し、白馬は黙示録6章に出てくる大勝利をとる白い馬ということで、終末のリバイバルに向けての同労者立て上げのキャンプと示されました。
  また、3月終わりに感謝と賛美で著名なマーリン・キャロザース師のセミナーを受けるアメリカ派遣を「感謝と賛美とリバイバルキャンプ」と名付けられました。この派遣を通して、多く感謝と賛美について学び、リバイバルに関することが開かれましたが、今回名前が変えられたことを通してリバイバルが近づき、次の段階に入ったということを強く思わされます。


  マタイの福音書24章7、8節に次のように書かれています。「民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、方々にききんと地震が起こります。しかし、そのようなことはみな、産みの苦しみの初めなのです。」これはイエスの弟子たちが、終わりの時の前兆を教えてくださいとイエス・キリストに聞いた時に語られたことばです。
  近年、世界で大地震が頻繁に起きるようになってきており、今回白馬スネルゴイキャンプの直後に東日本の大地震が起きました。その時、産みの苦しみの初めと語られ、さらに困難が許されると示された後で、「感謝と賛美とリバイバルキャンプ」が持たれたことに大きな意味合いを感じています。
  今回の大震災は誰もが想像もしなかった巨大地震が起き、津波が広範囲に渡って襲い、さらには原子力発電所の崩壊による放射能汚染の問題まで生じました。まさに黙示録に書かれている様々な様子の一面を見ているようでした。
  神様がすべてのことを支配しておられますから、何一つ偶然に起きることはありません。これらのことを通して確かに終わりの時、そして終末のリバイバルが近づいていることを神様は語ってくださっているのです。

 

すべてのことを感謝する

 

 それとともに「そのとき、人々は、あなたがたを苦しいめに会わせ、殺します。また、わたしの名のために、あなたがたはすべての国の人々に憎まれます。」(マタイの福音書24章9節)と書かれているように、終わりの時にはクリスチャンに対する迫害が起きます。その備えのために神様は何度も何度も感謝と賛美の器であるマーリン師のところへ導き感謝と賛美の学びをさせてくださっているのです。問題、困難が許される時、私たちクリスチャンにとって必要なことは信仰の対応をとることです。その中でも特に聖書に「すべての事について、感謝しなさい。」(Iテサロニケ人への手紙5章18節)と書かれているように感謝することに大きなポイントがあると主は語ってくださっています。


  よいことは誰でも感謝できますが、困難な状況、問題が許された時に感謝するのは、簡単ではありません。人は罪人なので、つぶやきが先に出てきてしまうからです。世界的な器のマーリン師でさえも毎日の訓練が必要だと言っておられますから、私たちにとっては日々の訓練が必要なのは言うまでもありません。そして神様は私たちを愛しておられますから、私たちを立て上げるためにその訓練を一人一人に与えてくださっているのです。

 

 先日私の使用している携帯電話iPhoneの電源が突然入らなくなってしまいました。水に浸けたわけでもなく、落としたわけでもないのに、全く動作しなくなってしまったのです。リセットしたり、充電ケーブルをつないでみたり、あらゆる考えられる方法は採ってみたのですが、全く動きませんでした。夜、iPhone マニアと言ってもよい教会の若い人たちに見せたところ、親切にもしばらく預かってくれて、議論しつつ直そうと試みてくれました。

 しかし、結果はどうしようもないということで、「修理代は高いけれどソフトバンクヘ持っていって修理依頼をせざるを得ない」或いは「2年契約が終わるまで、そのまま契約料だけ払うしかない。」等、親切にアドバイスしてくれました。正直なところショックを受けました。使えないまま契約料を払うのは悔しいですし、何も壊すようなことはしていないのに、高い修理代を払うのはばかばかしいと思いました。ともかく妻と二人で感謝しつつ帰宅の途につきました。

 帰宅してからは二人で神様に心から感謝し、そして誰も見ていませんから心から喜び踊りました。心に平安が与えられるまで感謝した後、ともかくソフトバンクに持って行くための準備をしようとして、もう一度電源を入れたら、何と動き出したのです! 私たちは本当にびっくりしました。ただし、日付は1970年1月1日となっていました。なんだこれはと思いましたが、すぐにわかりました。

 神様は私が元電気関係のエンジニアであることを知っておられ、これが本当に壊れていたのだぞということを見せてくださったのでした。神様にとって不可能なことは何一つありません。おそらく私が会社で働いてそれなりの給料をもらっている時であれば、感謝もせずに、少しだけお祈りして明日ソフトバンクに持っていけばいい、とだけ思ったことでしょう。しかし、困難、問題があるときにこそ、その後ろに神様の計画があり、神様が働いてくださるということを知っていますから、信仰の対応をとった時に、神様のすばらしいみわざを見ることができたのです。日々の歩みの中で小さなことであっても、感謝することは重要であり、神様はこれから起きる困難な時代に備えて、私たちを訓練してくださっているのです。私たちは日々の訓練をおろそかにしてはなりません。

 

神のことばを信じて従う

 

 先日「感謝と賛美とリバイバルキャンプ」に参加させていただき、マーリン・キャロザース師のセミナーを受けることができました。セミナーでは多くのことが語られましたが、その中で興味深い証しがありました。
  マーリン師は8月生まれで、小学校、中学校といつも走るのも遅く、勉強もできなかったとのことでした。また、話すのも苦手だったということでした。それはアメリカでは9月から新学期が始まるので、8月生まれというのは、一番発育面で遅れているからとのことでした。そういえば、日本の新学期は4月ですが、2月生まれの私も小学校3年生まではいつも徒競走はビリで運動会の時は何とかして学校を休みたいといつも考えていました。
  マーリン師は子供のときに神様は何もしてくれないと思っていたそうですが、神学校に入っても、その劣等感は続いていたとのことでした。世界的な器の方がこのような人であったことは、慰められますし、励まされます。


  しかし、軍のチャプレンになってから、神様から「あなたは何でもできる」と語られ、うまくしゃべれないということ、うまく書けないということに関しても、神様のことばを信じて行うのであれば、みことばに書かれている通り何でもできると語られ、何故神のことばを信じないのかと迫られたということでした。
  聖書にこのように書かれているからです。「私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです。」(ピリピ人への手紙4章13節)
  そして実際にそのことばを信じて町に出て行って、イエス様のことを話した時に、ある教会の牧師さんが聞いておられ、本当に神のことばを信じていることがわかったので、その教会に招かれ、その後、次々とあちこちに招かれるようになったとのことでした。現在のマーリン師から考えると、考えられないことです。話すのは上手ですし、書くことにおいても、全世界で1900万部を出版されたように、誰でもが分かりやすく、うまくまとめられた文章で本は書かれています。しかし、その最初はその逆で、神様のことばを信じ、神様の言われることに従ったところから逆転劇が始まったのです。

 

 牧師になった直後、神様の導きで当時ヤクルトスワローズのホージー選手と知り合ったのですが、ある時、神様がホージー選手と横浜スタジアムのある横浜公園でクルセードをしなさいと語られました。私は元々人前で話すのが苦手だったので、外でメッセージするのはまだ早すぎる、自分にはとてもできないと思っていました。しかし、神様は何度も示されましたので、その示しを受け取り、神様が働いてくださると信じることにしました。そして「責任は神様が取ってください。」と祈りつつ、最終的に神の語りかけに従うことにしました。ホージー選手の確認もとれ、人通りが多い時に横浜スタジアム横の階段状のステージになっているところで、賛美を始めようとした時に、横浜ベイスターズの応援団の人たちが、こんなところで何をやっているのかと言ってきました。伝道集会とも言えませんから、ホージー選手のお話ですと言うと、この場所でヤクルトの選手の話はダメだと怒って言われましたが、ホージーなら特別に許してやるということでオーケーになりました。しかしその方々はずっとそこにいて聞いていました。こんなことがあって、ますます、伝道メッセージを語ることに恐れとできないという不安がやってきました。しかし、神様が遣わされたのだと思い直し、ホージー選手の証しの後、福音メッセージを語り出しました。するとどうでしょう。自由に大きな声で、大胆に話せるではありませんか。神様が働いておられるのを実感しながら語り続けることができました。そしてイエス様の受け入れの招きをしたところ、200人くらいいた人々の中から30人くらい前に出て来て、告白の祈りをすることができたのです。主をほめたたえました。主に従って行うのであれば、神様がこのような者でも用いてくださり、神様の圧倒的な勝利が現されたのです。神様の働きは私たちの力ではなく、神様がともにいてくださり、働いてくださるかどうかなのです。


  私たちに力はなかったとしても、神様はすべてを治めておられ、何でもおできになられる方です。自分たちの基準、判断でことを決めてはいけません。神様のことばを信じ、従うのであれば何でもできるのです。そこに神様の御手があるからです。神様が働いてくださるからなのです。

 

これから神様のみわざを見る

 

 終わりの時には確かに神様が約束されている大いなる刈り取り(リバイバル)が現されます。神様は私たちをその大きな働きのために用いようとされているのです。私たち一人一人は「私たちの国籍は天にあります。」(ピリピ人への手紙3章20節)とあるように、神の国のものであり、そこから今それぞれの地に神様の計画のもとで遣わされてきているのです。私たちは神様に与えられている使命を全うしていく必要があります。それは神の国の拡大です。
  その働きをするために、どんな状況が許されようとも、問題が許されようとも、すべてを感謝するのであれば、私たちは神様の圧倒的な勝利を見ていくのです。また、神様のことばに聞き従って行くのであれば、私たちの能力、力とは関係なく神様が働いてくださり、神様の計画が成就していくのです。
  終末のリバイバルに向かって、神様は確かに私たちを用いられます。そのためにさらなる感謝と祈り聞き従いの訓練を導いておられるのです。今は重要な備えの時です。私たちはこの訓練を忠実に受けていきましょう。私たちを通して神様はリバイバルといういまだかつて体験したことがない大いなる力あるみわざを現そうとしておられるからです。


  必ず神の圧倒的な勝利が現されるのです。

 

月刊『雲の間にある虹』2011年6月号より転載