連載第60回 ダンス、ダンス、ダンス
ロッキー山脈からPraise the Lord!

※ 「ロッキー山脈からPraise the Lord!」は、月刊「雲の間にある虹」(雲の間にある虹出版)の人気連載です。 当コンテンツでは、上舘牧師の感謝の証しが含まれている記事をそのまま転載しております。


 先日、娘の成績を見たら、ダンスの授業が100点中の100点満点だった。娘いわく、「大好きなKARAとか少女時代(韓国出身のアイドルグループ)のダンスを自分風にアレンジして踊ったら、先生からすごくほめられた」とのこと。喜んでいいのかよく分からないが、この100点が全教科の平均点を上げるのに大きく貢献していることは確かだ。 娘の話を聞きながら、「ダンスかー。昔、踊ったよなー」と、私のダンスの歴史が頭をよぎった。

 

 中学1年生ごろ、「原宿で『竹の子族』がはやっている」と聞くと、「かっこいいなー、オラたちもやるべぇ」と、仲間が集まりダンスステップを練習した。ド派手な色のアラビア風の服を着て、なぜか頭にハチマキ巻いて踊っていた。中学3年生ごろになると、今度はロックンロールがはやり出し、50年代の服装でツイストを踊ったりした。何だか分かんないが、嫌なことは踊ってぱーっと忘れろ!みたいな思いで、ただただ踊っていた。その後も、ディスコに行って踊った。上手ではないが、踊りが大好きだった。そして、80年代後半からは、米軍基地周辺のディスコに行って踊るようになった。もし、ディスコが学校なら、皆勤賞をもらっていたことだろう。  本当に、もっと青春時代を有意義に過ごすことはできなかったのか…と、考えるのだが、聖書に「神様がすべてのことを働かせて益としてくださる」とあるのだから、このことも感謝しよう。

 さて、前回も少し書いたが、8月から新しい留学生、Rちゃんが来た。彼女が来る前、神様に祈っていて、みことばが与えられていた。詩篇133篇1節の「見よ。兄弟たちが一つになって共に住むことは、なんというしあわせ、なんという楽しさであろう。」このみことばから、「きっと楽しい生活になるだろう」と思った。そして、Rちゃんが来たのだが、私たち家族とはまったく異質の子だった。何がって、きちんとしている所だ。ちゃらんぽらんな家族に、ちゃんとした子が来たという感じだ。

そして、Rちゃんの初めてのアメリカ生活が始まったわけだが、留学するために何年も準備をしてきたのではなく、数カ月前に、突然、留学が決まったので、最初、英会話でとても苦労しているようだった。英語の読み書きはちゃんとできるのだが、英語のヒアリングとスピーキングが大変そうだった。今は、どんどん吸収して、驚くほど英語力がアップしてきているが、最初の2、3週間は、本当に大変だった。  さらに、同じクラスの子が、思うように英語を話せないRちゃんに、馬鹿にしたような態度を取ることもあった。人間的解決で、私がクラスに怒鳴り込み、その女の子に、「ちょっと、Rちゃんに何すんのよ」と言ってあげることもできるのだが、涙を流しているRちゃんを見て、「神様の助けが必要」と思った。

みんなで夕食の後、テーブルを寄せて、リビングルームをちょっと広めに使えるように工夫した。何事が始まるのか? と不安そうに見つめるRちゃんの前で、私たちは、感謝ダンスを始めた。「Rちゃんのことを馬鹿にする子を感謝します」「意地悪されたことを感謝します」「笑われたことを感謝します」と、嫌なことの一つひとつを感謝した。悪い事の背後に神様の祝福の計画があるからだ。  両手を上げたり、拍手したり、ジャンプして神様に感謝した。Rちゃんは真面目だが、意外にもノリがよく、一緒に感謝ダンスした。途中から、泣き顔が笑顔に変わり、心の重りが取り去られて行くのを感じた。

休み明けの月曜日、Rちゃんが学校に行くと、それまで馬鹿にした態度を取っていた女の子が、クラスワークを手伝ってくれるなど、仲良くなってきたという。信仰による勝利!Praise the Lord!  こうしてRちゃんは、感謝のダンスデビューを果たした。

月刊「雲の間にある虹」2011年11月号より転載